EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)の疾患情報サイト

  • TOP
  • 納得して治療を受けるために知っておきたいこと
  • EGPA患者さんの体験談
3

納得して治療を受けるために知っておきたいこと

EGPA患者さんの体験談

EGPAと向き合いながら、一歩ずつ自分らしい生活へ

本サイトに掲載している体験談は、患者さんへのインタビューに基づき掲載しています。病状や経過、治療への向き合い方などはお一人おひとり異なります。
ご自身の症状で気になることがあれば、医療機関を受診し、医師にご相談ください。

長く続く咳や身体のこわばり、筋力の低下、体重減少――。
「年齢のせいかもしれない」と思っていた不調の背景にあったのは、
EGPA(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)でした。

診断までの不安、治療方針が決まったときの安堵、そして病気と向き合う中で生まれた新たな目標について、50歳代の男性にお話を伺いました。

画像 EGPA患者さん

1. 「年齢のせいかもしれない」と思っていた不調。その後、EGPAと診断されるまで

私は20歳頃からアレルギー症状があり、45歳頃からは春先になると長引く咳が3~4年続くようになりました。さらに体重が減るといった変化もありました。今振り返ると、その頃からEGPAの症状が現れていたのかもしれません。ただ、当時は「少し早めの更年期かもしれない」「年齢のせいかな」と思っていて、まさか自分が希少な病気にかかっているとは考えてもいませんでした。

EGPAと診断される2年ほど前、判断力の低下、不眠、下痢、食欲低下といった不調が一気に現れました。まるで急にブレーカーが落ちたように感じて精神科を受診したところ、適応障害と診断され、しばらく休職しましたが、症状は改善しませんでした。やせ細り、顔色も悪くなっていく自分の姿を見て、漠然とした不安を抱えながらも、それでも何とか仕事には通っていました。

その後も身体の不調は続き、「疲れがたまっているのかな」「ヘルニアかもしれない」と思って整形外科を受診したところ、医師から「原因ははっきりしないが、内科的な病気の可能性があるので、すぐに膠原病を専門とする病院を受診してください」と言われました。先生がその場で予約まで取ってくださり、その様子から「ただ事ではないのかもしれない」と感じました。

専門病院で採血検査を受け、約10日後に再診することになりましたが、その間にも日に日に身体が動かしにくくなり、声も出しづらくなっていきました。「このまま介護が必要な状態になるのではないか」と、絶望的な気持ちになったことを覚えています。再診の日、診察室に入るとすぐに、医師から「アレルギー体質はありますか」「体重はどれくらい減りましたか」と次々に質問を受けました。そのときは戸惑いましたが、今思えば、先生はすぐに診断と治療を始める必要があると感じていたのだと思います。問診の末にEGPAと診断され、翌日から1か月間入院することになりました。

2. 病名がわかった安心感を支えに、EGPAの治療と向き合うようになった

入院中は医師の指導のもと治療を受けました。治療そのものへの不安よりも、病名がわかり、治療方針が決まったことへの安心感のほうが大きかったです。私は技術職として、現場で積み重ねた経験を大切にしてきました。そのため、専門性を持って日々患者さんと向き合っている医師が判断した治療方針なら、受け入れようと自然に思えました。一方で、「治療が長く続くのはつらいな」という気持ちもありました。

治療を続ける中で印象に残っているのが、主治医から「EGPAについてご自身でもいろいろ調べてみてください」と言われたことです。その言葉をきっかけに、自分でも情報を集めるようになりました。受診の際には自分から質問することも増え、以前より前向きに病気と向き合えるようになったと感じています。

3. 周囲への感謝を大切にしながら、仕事や日常を少しずつ取り戻している

私は、できる限り自分のことは自分でしたいと思っています。そのため、必要以上に「病気だから」とは言わないようにしています。また、誰かに助けてもらったときには「すみません」ではなく、「ありがとう」と伝えることを心がけています。

治療を続ける中で体調も少しずつ戻り、今は診断前と同じ職場で働いています。現在は週4日勤務で仕事量を調整してもらっており、同僚には病気のことを伝えたうえで働いています。「詳しくはわからないけれど、大変な病気なんだね」と受け止めてもらえていることが励みになっています。

4. 病気をきっかけに、新しい出会いや目標も生まれた

完治が難しい病気ではありますが、これからも治療を続けながら、病気とうまく向き合っていきたいと思っています。その一方で、病気になったからこそ得られた出会いや、自分でも気づかなかった新しい一面に出会うこともできました。だからこそ、今の生活をこれからも大切にしながら楽しんでいきたいと思っています。

これから挑戦してみたいこともあります。私の子どもは卓球が得意で、スペシャルオリンピックス日本に所属しています。私自身もその影響で卓球の指導を始め、今では生活の一部になっています。さらに、そのつながりの中でデフアスリートと知り合ったことをきっかけに、趣味として手話も学び始めました。スポーツや手話を通じて交流の輪が広がっており、いつか海外にも行ってみたいと思っています。

5. 今できることを大切にしながら、自分なりの目標を持って過ごしてほしい

私自身、病気になった当初は、できなくなったことばかりに目が向いていました。しかし、医師と相談しながら治療を続ける中で、「今の自分にできることは何か」を考えるようになってからは、少しずつ前向きに病気と向き合えるようになりました。

病気や治療との向き合い方は人それぞれだと思いますが、振り返ると、医師と十分に話をしながら自分に合った治療方針を考えられたことは大きな支えになりました。これから治療を受ける方にとっても、医師と相談しながら納得できる治療に取り組むことが安心につながるのではないかと思います。私の経験が少しでも参考になればうれしいです。